従業員支援プログラムを利用すべき5つの理由

EAPはどちらかと言えば一般に広く提供されている福利厚生制度といえるでしょう。健康保険の一種とみなされている国もあります。それは、EAPが薬物・アルコール依存症や、メンタルヘルスの問題に役立つからです。カウンセリングはEAPが提供するプログラムの中で最も重要なサービスですが、他にも日常生活やウェルビーイングの領域でのサポートサービスを急速に広げています。

すべてのEAPに共通する重要な特徴として、「EAPは匿名で利用することができる」という点があげられます。EAPの利用情報は勤務先に送信されますが、利用者の名前が開示されることはありません。ですから、相談内容が薬物・アルコール依存症であるか、結婚生活の問題であるか、上司との関係であるかに関わらず、あなたがEAPを利用したという事実や相談内容について勤務先が知ることはありません。

EAPが提供するサービスの内容は企業により異なります。EAPの多くは無料で利用できますので、あなたが利用できるEAPのサービス内容について是非確認しておきましょう。

ここでは、EAPが提供する支援サービスの中で、あなたがひょっとしたら知らないかもしれないものについて紹介していきます。

1. ストレスマネジメント

仕事にストレスはつきものです。家族生活やお金もストレスをもたらします。原因が何であれ、ストレスに悩まされているのはあなただけではありません。人生のある時点で、誰もがストレスを経験するものです。そんなときは、EAPが役に立ちます。セラピストやカウンセラーを見つけられるか不安な場合、EAPを利用しましょう。必ず話を聞いてくれる人を見つけられるはずです。訓練を受けたカウンセラーが親身になって相談に乗り、同僚との不和、離婚や家族との死別による悲しみ、リモートワーク、お金の心配といったストレスをもたらす状況に向き合う計画をつくるのに手を貸してくれるでしょう。また、ストレスから生じる副作用（不眠など）に関しても支援してくれます。通常、一定回数までのカウンセリングは無料で提供されます。治療を継続する必要がある場合は、別の医療機関やカウンセラーなどを紹介してくれます。

2. コンシェルジュサービス

「タイム・イズ・マネー」です。EAPを利用すれば時間を節約できる場合があります。育児支援をしてくれる人、ペットのお医者さん、配管工、引越し業者といったサービス業者を探すのを手伝ってくれるEAPも多いです。ディナーやお祝いごとの計画をサポートするコンシェルジュサービスを提供するEAPもあります。新しい場所に引越した時などは、こうしたサービス業者の連絡先がわかれば大変助かりますよね。

3. 法律相談

ちょっとした法律相談であれば、EAPに電話するだけで解決する場合があります。簡単な遺言や遺産相続計画の作成や書類の見直し、あるいは弁護士に電話してもらいたいことがある場合など、ちょっと相談するだけですべてが解決するかもしれません。より複雑な問題であれば、近くの弁護士を紹介してもらえるでしょう。（注：雇用関連の問題であれば、EAPに相談することはおそらくできないでしょう。）

4. 資産計画およびローンの管理

多くのEAPがお金の問題について無料の電話相談を受け付けています。結婚やお子様の誕生など、大きなライフイベントを目前に控えていたり、大きなライフイベントが起きたばかりであれば、貯蓄と支出を見直し、新たな家計予算を組む必要があるかもしれません。また、ローンの管理や返済方法など、現在進行形のお金の相談にものってくれるでしょう。EAPはこれらをはじめとするさまざまなお金の問題に解決の手を差し伸べてくれます。

5. ライフ・ウェルネス・コーチング

多くのEAPサービスでは、訓練を受けたコーチが目標達成のためのコーチングセッションを提供しています。例えば、新しい土地に引っ越した場合のスムーズな溶け込み方、プライベートや職場で役立つスキルの向上、食生活の改善や禁煙などの健康目標の達成など、役立つ情報を提供し、あなたの自立を助けてくれるでしょう。ぜひ、こうした専門家の力を借りてみてはいかがでしょう。